プレスリリース

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報道関係各位

2008年11月12日

アボット ジャパン株式会社

本資料は、米国アボット社が2008年10月21日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・抜粋・再編集し、11月12日皆様のご参考に供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
※ 本資料(英文)についてはwww.abbott.comをご覧ください。

米国アボット社ヒュミラ®(一般名:アダリムマブ)
中等度〜重度のクローン病患者さんにおける
瘻孔治癒効果を3年間維持
-欧州消化器疾患週間会議で難治例の瘻孔治癒効果を発表-

米国アボット社配信:2008年10月21日(火)ウィーンで開催された欧州消化器疾患週間(UnitedEuropean Gastroenterology Week, UEGW)の会議において、中等度〜重度のクローン病の患者さんにおけるアボットのヒュミラ®(一般名:アダリムマブ)の治療効果に関する新たなデータが発表され、同剤の3年にわたる瘻孔(ろうこう)治癒効果が示されました。データによると治療に反応しなかった瘻孔、または治療効果を失った瘻孔、およびインフリキシマブに対する忍容性がないなどの治療困難な患者さんにおいてヒュミラ®の効果が示されました。

クローン病が進行すると深い潰瘍が腸内の様々な所に発生し、瘻孔になりやすいとされています。瘻孔とは腸に穴があき、腸管同士や体の他の部位とつながることで形成されるトンネル状のものをいい、クローン病の患者さんの最大3分の1に現れる、身体障害を来たす最大の原因の1つです。今回の研究では、「瘻孔の治癒」とは何もしない状態や軽く押した状態では瘻孔からの漏れがないことと定義されました。

Huriez 病院消化器科(リール・フランス)のJean-Frederic Colombel 教授は、「瘻孔は、腸の内容物の漏れや出血や便失禁などの問題が生じ、患者さんの生活に多大な影響を及ぼす事はもちろん、手術が必要となることもあります。瘻孔の治癒を促す治療は重要であり、特に難治性の患者さんには有効な治療法が切望されています」と述べています。

研究結果

アボットは第III相臨床試験であるCHARM試験を1年間行った後、非盲検拡大臨床試験を行い、ヒュミラ®の瘻孔治癒効果が最大3年間にわたり持続することを明らかにしました。これらの試験より以下の結果が得られました。

  • CHARM試験における1年間の投与期間の終了時、試験開始時に瘻孔があった患者さんの半数以上(58%, 50例中29例)で瘻孔の治癒がみられ、続いて行われた拡大臨床試験の1年を通して効果の持続がみられました。また、合計2年間の治療期間の終了後、患者さんの59% (37例中22例)で瘻孔の治癒が持続しました。
  • 非盲検継続試験の開始後、治療を2年間継続した(合計3年の治療期間の)患者さんの約3分の2(68%, 31例中21例)で瘻孔の治癒がみられました。

CHOICE試験においては、インフリキシマブが無効の中等度〜重度のクローン病患者さんにおけるヒュミラ®の効果を検討した非盲検試験を行いました。試験開始時に瘻孔がみられた患者さん88例のうち最終来院時(第4週〜第36週)に得られた83例データについてサブ解析を行い、以下の結果が得られました。

  • ヒュミラ®投与例の41% (83名中34名)で、最終来院時に瘻孔の治癒がみられました。
  • インフリキシマブの投与開始後、初期は効果がみられたものの効果消失がみられた患者さんや忍容性の問題で投与を中止した患者さん71名にヒュミラ®を投与したところ、42%で瘻孔の完全治癒がみられました。
  • インフリキシマブの投与開始時より無効であった患者さん12名にヒュミラ®を投与したところ、4名で瘻孔の完全治癒がみられました。

アボットのGlobal Pharmaceutical Research and Development事業部のバイスプレジデントであるRebecca Hoffman博士は、「今回UEGWで初めて発表したこれらの解析結果は、インフリキシマブで効果の得られなかった患者さんにおいてヒュミラ®で瘻孔の治癒をもたらすことが出来る事を示すデータです。今回の試験結果は私達にとって大変喜ばしい内容であり、私達は今後もクローン病患者さんを対象としたヒュミラ®の臨床試験を続行する予定です」と述べています。


なお、このプレスリリースは、重工業研究会、本町記者会、大阪化学工業記者クラブ、道修町薬業記者クラブにも配布いたしております。重複のむきございましたら、予めご容赦の程お願い申し上げます。

参考資料

CHARM試験について

CHARM試験(Crohn’s Trial of the Fully Human Antibody Adalimumab for RemissionMaintenance)は、中等度〜重度のクローン病患者さん854例を対象にヒュミラ®の緩解維持効果を検討した56週間の臨床試験です。試験では、4週間の非盲検導入期を設け、導入期の終了後に試験を継続していた患者さん778名を無作為化し、ヒュミラ®群(40mgの隔週投与または毎週投与)またはプラセボ群に割り付けました。主要評価項目は、第26週と第56週における緩解維持とし、毎週投与群と隔週投与群をプラセボ群と比較しました。1年後に緩解維持がみられた患者さんの割合は、ヒュミラ®群がプラセボ群を有意に上回りました。

CHARM試験の非盲検拡大臨床試験では、さらに2年間の追跡調査を行い、データを収集しました。分析データには、試験開始時に瘻孔がみられ、非盲検拡大臨床試験に参加した患者さん(隔週投与例、毎週投与例のいずれも含む)を含めました。瘻孔の治癒がみられた患者さんの割合と、最大3年にわたり50%以上の瘻孔改善効果がみられた患者さんの割合を算出しました。

CHOICE試験について

CHOICE試験(Crohn’s Disease WHO Failed Prior Infliximab To Collect Safety Data and Efficacy Via Patient-reported Outcome Measures)は、インフリキシマブが無効の中等度〜重度のクローン病患者さんを対象としてヒュミラ®の効果を検討した多施設共同非盲検試験です。試験データのサブ解析として、瘻孔の治癒状況を検討しました。試験には、インフリキシマブが全く無効であった患者さん(初期無効例)と、当初は有効であったものの効果消失が生じた患者さんや忍容性のなかった患者さん(初期有効例)が参加しました。参加した患者さん673名のうち88名には、試験開始時より瘻孔がありました。瘻孔があった患者さんのうち、13名は初期無効例、75名は初期有効例でした。

試験開始時、8週間以上の休薬期間をおいてインフリキシマブのウォッシュアウトを行った後、ヒュミラ®の投与を開始しました。投与スケジュールは、第0週に160mg、第2週に80mg とし、その後は試験終了時まで40mg の隔週投与を行いました。第8週以降は、無効例や再燃例は40mg の毎週投与に切り換えてよいこととしました。米国でヒュミラ®のクローン病の適応が承認された時点で患者さんの中にこの試験によるヒュミラ®投与から、処方によるヒュミラ®投与治療に切り換えた患者さんがいるため、試験期間は患者さんによって異なります。

クローン病について

クローン病は、消化管の炎症を主な特徴とする慢性自己免疫疾患です。発症年代は若年成人に多く、40歳以下での発症が中心ですが、全年齢層で現れます。クローン病の主な症状は、下痢、腹部疝痛、腹痛、体重減少や発熱です。腸閉塞、瘻孔(潰瘍が現れ、周囲の組織とつながるトンネルが形成される状態)や栄養不良などの合併症も伴います。クローン病患者さんの75%以上が合併症や難治性クローン病のため手術を1回以上受けています。手術で腸管の一部を切除した患者さんのうち半数は、5年以内に再発します。

重要な安全情報について

処方情報は国により異なります。日本の製品情報は本邦の添付文書をご覧下さい。

ヒュミラ®や他のTNF阻害剤の使用例で重篤な感染症、敗血症、結核や日和見感染症が現れたとの報告が寄せられており、死亡例も報告されています。関節リウマチの患者はもともと感染症にかかりやすいうえに、重篤な感染症の多くは免疫抑制剤も併用していました。ヒュミラ®の投与開始前、投与中および投与後は、結核などの感染症について十分注意してください。ヒュミラ®の投与中に新たな感染症が現れた患者に対しては十分な観察を行ってください。重篤な感染症が現れた場合は、感染症が治まるまでヒュミラ®の投与を中断してください。活動性結核や、敗血症や日和見感染症などの重度の感染症がみられる患者には、ヒュミラ®を投与しないでください。潜伏結核と診断された場合は、ヒュミラ®の開始に先立ち抗結核薬の予防的投与を開始し、各国の推奨内容に従って適切な治療を行ってください。重篤な感染症が現れた場合は、感染症が治まるでヒュミラ®の投与を中断してください。反復性感染の既往がある患者や、易感染状態の患者にヒュミラ®の投与を考慮する際は、十分注意してください。

TNF阻害剤の投与により、B型肝炎ウイルス(HBV)の長期保有例でHBVの再活動化が現れており、死亡例も発生しています。HBV感染のリスクのある患者に本剤を投与する場合は、事前にHBV検査を行い、感染の有無を検討してください。

ヒュミラ®とアナキンラの併用や、ヒュミラ®とアバタセプトの併用は避けてください。

ヒュミラ®や他のTNF阻害剤の投与に伴い、まれに多発性硬化症などの脱髄性疾患、ギランバレー症候群や視神経炎、重篤なアレルギー反応が現れています。まれに、TNF阻害剤の投与に伴い、再生不良性貧血を含む汎血球減少症が現れたとの報告も寄せられています。ヒュミラ®の投与例において、医学的に問題のある血球減少症を含む血液系有害事象の報告が低頻度で得られています。

TNF阻害剤の臨床試験では、TNF阻害剤の投与例における悪性腫瘍(リンパ腫等)の発現例数が対照例を上回りました。対照群の患者数が小さく、対照比較研究の実施時間が短期間であるため、結論は得られていません。また、長期にわたり活動性炎症がみられる関節リウマチ患者ではリンパ腫のリスクが高いため、リスク評価は困難です。ヒュミラ®の長期非盲検臨床試験における悪性腫瘍の発現率は、年齢、性別と人種を一致させた一般人集団で予測される内容と同程度でした。現時点で得られている所見では、TNF阻害剤を使用中の患者においてリンパ腫その他の悪性腫瘍のリスクが高い可能性を否定することができません。ヒュミラ®の投与開始前と投与中は、非メラノーマ性皮膚癌の有無について観察してください。特に、乾癬治療としてPUVA療法を受けた経験のある患者の場合は、特に十分に観察してください。

市販後調査において、ヒュミラ®投与例で肝脾T細胞リンパ腫がまれに認められています。この種のT細胞リンパ腫は進行がきわめて速く、多くは死に至ります。ヒュミラ®投与例における肝脾T細胞リンパ腫の一部は、クローン病の治療のためアザチオプリンまたは6-メルカプトプリンの投与を受けていた若年患者に現れています。ヒュミラ®の投与例で肝脾T細胞リンパ腫が発現する危険性を否定することができません。

類薬の抗TNF剤の臨床試験において、重篤なうっ血性心不全(増悪と新規発生を含む)の発現率の上昇が認められています。ヒュミラ®の投与例においても、うっ血性心不全の増悪が報告されています。心不全の患者にヒュミラ®を投与する場合は十分注意し、十分な観察を行ってください。中等度〜重度の心不全患者には、本剤を投与しないでください。

ヒュミラ®との因果関係が否定できない有害事象のなかで、頻度が最も高かった有害事象(発現率10%以上)は注射部位反応(疼痛、腫脹、発赤、そう痒など)で、比較的高頻度(1%以上)でみられた有害事象は、下気道感染症(肺炎、気管支炎など)、ウイルス感染症(インフルエンザ、ヘルペス感染など)、カンジダ症、細菌感染(尿路感染など)、上気道感染症、めまい(回転性めまいを含む)、頭痛、感覚異常(錯感覚など)、咳嗽、鼻咽頭痛、下痢、腹痛、口内炎・口腔内潰瘍、悪心、肝酵素上昇、発疹、そう痒、筋骨格痛、発熱、疲労(無力症、倦怠感など)でした。市販後に報告された副作用としては、腸管穿孔、肺線維症その他の間質性肺疾患、皮膚血管炎などが報告されています。

ヒュミラ®について

ヒュミラ®は、欧米では関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎とクローン病を適応とする唯一のヒト型モノクローナル抗体製剤です。ヒュミラ®は人体に通常存在する抗体と類似しており、各種の免疫疾患の炎症反応に関与する腫瘍壊死因子α(TNF-α)を阻害することで作用を発揮します。TNF-αは数々の免疫疾患で過剰に産生され、炎症反応の中心的な役割を担う物質です。ヒュミラ®は現在、77カ国の国々で承認され、31万人以上の治療に用いられています。現在、潰瘍性大腸炎におけるヒュミラ®の効果を検討するため、臨床試験を実施中です。

ヨーロッパにおけるヒュミラ®の適応は、メトトレキサート(以下MTX)を含む疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で十分な効果が得られない中等度〜重度の活動性関節リウマチ患者さん、およびMTX の使用歴のない重度の活動性進行性関節リウマチの患者さんであり、MTX と併用することが求められていますが、MTX 不耐例やMTX の投与継続が不適切である患者さんにはヒュミラ®の単独投与も可能です。ヒュミラ®はMTX と併用した場合、X 線検査で認められる関節破壊の進行を抑え、身体機能を改善することが明らかにされています。

また欧州においてヒュミラ®は、活動性の進行性乾癬性関節炎を有し、DMARD の効果が不十分である成人患者さんも適応としています。ヒュミラ®は、多数の関節に対称性に現れる進行性乾癬性関節炎の患者さんにおいてX 線検査で認められる末梢関節障害の進行を抑え、身体機能を改善することが明らかにされています。さらに、従来の治療で十分な効果が得られない活動性強直性脊椎炎の成人患者さんも適応とされています。

ヒュミラ®は、ステロイドや免疫抑制剤による適切な治療を行っても効果が得られない重度活動性クローン病の患者さんや、このような治療に不耐か禁忌の重度活動性クローン病の患者さんも適応としています。寛解導入療法では、ヒュミラ®とステロイドを併用します。ステロイド不耐例や、ステロイドの継続が不適切な患者さんでは、ヒュミラ®の単独投与が可能です。

ヒュミラ®は、シクロスポリン、MTX(日本では適応外)やPUVAによる全身療法が無効、禁忌または不耐の中等度〜重度の慢性尋常性乾癬の治療も適応としています。また本剤は、活動性多関節型若年性特発性関節炎を有する13〜17歳の小児の治療も適応としています。MTXとの併用を行いますが、MTX不耐例や、MTXの投与継続が適さない場合はヒュミラ®の単独投与が可能です。

アボットの免疫分野への取り組み

アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。

アボット社について

米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数 68,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は新薬の研究・開発に加え、医療用医薬品、栄養剤、医療用機械器具、医療用計測器、診断薬の分野における研究、開発、製造、マーケティングそして販売、と多岐にわたっています。

アボットのニュースリリースや最新情報は、www.abbott.com(英文のみ)をご覧ください。

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