パスビジョン® HER-2 DNAプローブキット、結腸・直腸癌患者に対するトラスツズマブ及びペルツズマブ併用療法のコンパニオン診断薬として承認を取得

  • HER-2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対するトラスツズマブ及びペルツズマブ併用療法のコンパニオン診断薬として、製造販売承認事項の一部変更が承認されました。
  • TRIUMPH試験(HER-2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対するトラスツズマブおよびペルツズマブ併用療法の有効性および安全性を評価する多施設共同国内第II相試験)で有用性が示されました。

2022年3月28日―アボットジャパン合同会社(本社: 東京都港区、代表執行役員社長:武知 秀幸)は、HER-2遺伝子キットである「パスビジョン®HER-2 DNAプローブキット」が、がん組織または細胞中のHER-2/neu遺伝子増幅度の測定((HER-2/neu)/(CEP 17)比)(トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びペルツズマブ(遺伝子組換え)の併用療法の結腸・直腸癌患者への適応を判定するための補助に用いる)を使用目的に追加する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことをお知らせします。

今回の承認は、TRIUMPH試験(HER-2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対するトラスツズマブおよびペルツズマブ併用療法の有効性および安全性を評価する多施設共同国内第II相試験)の成績に基づいており、トラスツズマブおよびペルツズマブ併用療法の結腸・直腸癌患者に対するコンパニオン診断薬となります。

アボットジャパン合同会社 モレキュラー事業部 カントリーマネージャーの櫻井 雅俊は、「日本において大腸癌は最も罹患数の多い癌種です。多くの患者さんにとって新たな治療選択肢となる治療法を医師が選択する際、重要な情報を提供する今回のコンパニオン診断薬の承認を世界に先駆けて取得でき、大変うれしく思っています。アボットは、今後も日本の医療に貢献する革新的な診断技術を提供していきます」と述べています。

パスビジョンHER-2 DNAプローブキットについて
パスビジョンHER-2 DNAプローブキットは、乳癌又は胃癌の組織又は細胞中の HER-2/neu 遺伝子増幅度の測定((HER-2/neu)/ (CEP 17)比)(悪性腫瘍の診断補助等)を使用目的とするFISH法 によるHER-2遺伝子キットです。10%中性緩衝ホルマリン固定パラフィン包埋組織のプレパラート上で、オレンジ色の蛍光色素で標識したHER-2 DNAと緑色の蛍光色素で標識した17番染色体のセントロメアDNA(CEP17)プローブを用いて、それぞれの領域にハイブリダイズします。日本では体外診断用医薬品として2002年1月に乳癌、2010年12月に胃癌に対する診断補助として承認されました。これまで20年以上にわたり、各検査会社及び病院に導入されています。

【参考情報】
国立がん研究センター「SCRUM-JAPANの研究結果に基づく成果 アンメットメディカルニーズのHER2陽性大腸がんに対して、世界初の有効な治療法が国内で承認」(2022年3月28日プレスリリース)
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2022/0328/index.html

アボットについて

アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約113,000人の社員が活動しています。

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1FISH(FLUORESCENCE IN SITU HYBRIDIZATION)法は、蛍光物質で標識したプローブ(標的遺伝子と相補的な塩基配列を有する合成遺伝子)を目的の遺伝子と結合させ、蛍光顕微鏡で検出する手法です。