試合中の心停止から復帰した米国プロスポーツ選手が語る“支え合いの力”

NFLダマー・ハムリン選手、心疾患を乗り越えてマラソンに挑戦するランナーを応援

栄養・健康・ウェルネス|4月 10, 2026

全米スポーツで高い人気を誇るNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のバッファロー・ビルズで現役として活躍するダマー・ハムリン(Damar Hamlin)選手は、2023年の試合中に心停止に陥り、世界中が彼の回復の行方を見守りました。その後、奇跡の復活を遂げたハムリン選手は「人生観が変わった」といいます。

この経験がきっかけとなり、現在、ハムリン選手はアボットが米国で展開する「HeartMates(ハートメイツ)」―― 心疾患とともに生きる患者さん、ご家族、医療従事者が互いにつながり、励まし合うコミュニティ ―― のアンバサダーを務めています。

今年、ハムリン選手は東京マラソンに合わせて来日し、心疾患を乗り越えてマラソンに挑戦するHeartMatesのメンバー、121名の国内外のアボット社員ランナー、そして約4万人の全ランナーに沿道から熱い声援を送りました。今回の来日は、アボットがワールドマラソンメジャーズの冠スポンサーを務めていることから実現したものです。

アボット社員と一緒に、沿道からランナーに声援を送るハムリン選手

“人生は脆く、そして力強い”
東京マラソン翌日に開催されたアボット社員向けのミーティングで、ハムリン選手は、脳卒中を経験したHeartMatesのメンバーで、東京マラソンを完走したクリスティ・カーク(Christy Kirk)さんとともに、パネルディスカッションに登壇しました。

ハムリン選手は自身の心停止の経験をこう振り返ります。
「人生は脆い一方で、非常に力強いものだと感じました。心停止後、社会から距離を置いて静かに回復に専念する道もありましたが、私は自分の経験を共有し、誰かの励みになる道を選びました。」

入院中には、9カ月前に心停止を経験した医師が病室を訪れ、「私は今ではバスケットボールをプレイしているよ。だから、君も大丈夫だよ」と声をかけてくれたといいます。「その言葉が、先の見えないトンネルに光を灯してくれました。だからこそ、今度は自分自身が、HeartMatesの取り組みを通じて誰かに光を届けたいと思っています。」

ハムリン選手はHeartMatesプログラムの一環として、患者さんやそのご家族と経験を共有し合う場への参加、医療従事者との意見交換、患者さんの訪問など、コミュニティづくりに積極的に取り組んでいます。

「アメフトを通して、忍耐力、立ち直る力、スケジュール管理の重要性、そして人生を前進させていくために自らを律する力を学びました」と語るハムリン選手

東京マラソンの「チアゾーン(応援エリア)」に広がった大きなエネルギー
マラソン当日、ハムリン選手は、アボット社員や家族が一堂に会してランナーを応援する「チアゾーン」にいました。

「普段は、アメフト選手として声援をもらう立場にいますが、今回は“応援する側”に立ってエネルギーを届けたいと思いました。スタート地点でランナーの皆さんが解き放たれたように走り出す姿を見て、本当に胸を打たれました」

その中には、今回の東京マラソンに挑戦したクリスティさんもいました。クリスティさんは、2003年に脳卒中の原因となった心房中隔欠損症(ASD)を治療し、その後、フルマラソンに挑戦し続け、今回の東京マラソンも見事に完走しました。

アボットのチアゾーンを通過したクリスティさんは、アボット社員と笑顔でハイタッチを交わし、最後の力を振り絞ってゴールへと向かっていきました。

39km地点でアボット社員とハイタッチを交わすクリスティさん

“走れる幸せ”を支える、医療イノベーションとコミュニティの力
クリスティさんは自身の疾患と今回の挑戦について次のように語りました。
「アボットのデバイスのおかげで開胸手術をせずに治療を受けることができ、今では、安心して走ることができています。病気を経験したことで、健康への意識が以前より高まりました。アボットのチアゾーンがある39km地点を走るころには、体力はほぼ使い切っていましたが、アボットの仲間からの熱い声援のおかげで、前へと進む力が湧いてきました。」

そして、医療従事者やアボットの社員に対して「心から感謝しています」と述べ、社員から大きな拍手が送られました。

日本から学ぶ“互いを思いやる文化”
今回2度目の来日となったハムリン選手は、日本で感じたことについてこう話しました。
「日本に来るたびに、人を思いやる文化や健康を大切にする姿勢に感銘を受けます。家族や周囲の人にもこの価値観を伝えたいと思っています。」

「愛情を持って人に接し、支えようとすれば、相手が一人では到達できなかったようなことに挑戦し、成し遂げる力を引き出せる」と話すハムリン選手

HeartMatesが広げる“つながりの輪”
アボットの取り組みHeartMatesについて、ハムリン選手は次のように締めくくりました。
「私たちは、互いに支え合うことでより強くなれると心から信じています。HeartMatesを通じて、そのメッセージを多くの方に届けていきたいと思います。」

ハムリン選手の今回の来日と、東京マラソンに挑戦したクリスティさんのストーリーは、心疾患とともに生きる人々に寄り添い、力を与えるコミュニティの大切さを改めて示すものとなりました。

アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするというミッションのもと、今後もHeartMatesのような取り組みに注力してまいります。