＊本記事は、2023年8月23日に米国アボット本社のウェブサイトで紹介された記事の翻訳版です。内容については英語原文が優先されます。医学的な情報を提供したり、製品を広告・宣伝する目的のものではありません。

代謝。人によって解釈が違う言葉です。血液の循環から食物の消化まで、体内の活動すべては食事によって得たカロリーと呼吸によって取り込んだ酸素の代謝によって営まれています。代謝はたとえ体を動かしていないときにも常に行われていて、人によって異なる働きをします。

また代謝、特にメタボリックヘルスの改善に関しては多くの誤解があります。

ここではいくつかの誤解を解いていきましょう。代謝は一朝一夕で上げることはできませんが、生活習慣を変えることですぐに変化を見込む方法があります。代謝を上げるために知っておくべき3つのことをご紹介します。

代謝は年齢とともに自然に低下

Science誌に掲載された研究によると、代謝は人生の非常に早い段階でピークを迎えます。赤ちゃんがカロリーを消費する速度は大人よりも50%速く、その後20歳までに年間3%ずつ低下します。そして代謝は60歳で頭打ちになりその後は毎年1%弱ずつ低下し始めます。

代謝は私たちの生活の中で徐々に変化するため、変えるのが難しいと感じるかもしれません。ですが、レジスタンス運動（筋トレ）で筋肉量を増やすことで代謝率を上げることが可能です。また、筋肉量が多いほど日中に消費するカロリーが多くなります。つまり代謝速度が速くなり代謝性疾患に対する抵抗力が向上するのです。

自分の体を把握し代謝を上げる

体に必要なエネルギーはリアルタイムに変わるため、体内の変化を知ることで代謝を管理するための新たな可能性が開けるかもしれません。

たとえば現在英国で販売されているバイオウェアラブルなどのツールを使用すると、体内の変化をより深く理解しメタボリックヘルスに役立つより良い生活習慣の改善に取り組めます。

例えば、グルコース値をモニタリングすると代謝についてよく理解することができます。それには先述したバイオウェアラブルが役立ちます。グルコース（ブドウ糖）は重要なエネルギー源です。また、体内のブドウ糖の量が少ない場合ケトン体が代替エネルギー源となります。

将来、バイオウェアラブルでグルコースやその他の分析物をモニタリングすることで、生活習慣の変化、健康とパフォーマンスの向上を見込むことができるようになるでしょう。

「バイオウェアラブルによって、自分の体で何が起こっているかをリアルタイムに把握し“見える化”することができるのです」と栄養士であるPam Bede氏(MS、RD)は語ります。また、「バイオウェアラブルを使うことで、食べたものによってグルコース値がどのように影響を受けるか確認できグルコース値の安定化に対処できます。グルコース値が常に急上昇したり、毎食後急激かつ大幅に増加したりする場合は食事を見直すときです」

代謝改善に役立つ小さな変化

代謝を徹底的に見直すのに、気合をいれてメタボリックコンフュージョン・ダイエット（チートデイ・ダイエット）をする人がいるかもしれません。ですがもっと気軽にメタボリックヘルスを改善する方法もあります。

私たちバイオウェアラブルの専門家は、栄養学に根ざした5つの「基礎」を提案しました。それは食事の質を向上させながら代謝を管理する方法で、タンパク質、脂肪、食物繊維の摂取量を増やすこと、また、運動量を増やすこと。そして食べ物は甘いものより風味のあるものを選ぶことが含まれます。風味のある食べ物としてカプサイシンを含むハラペーニョのような辛い食べ物を選ぶとよいでしょう。この強力なスパイスは主に体温を上げることによって代謝率を上げることが分かっています。発熱量が多ければ多いほど食後短時間は代謝率が上がります。

カプサイシンはTRPV1と呼ばれる体内の受容体に影響を与えるといわれ、TPRV1は体内の代謝にかかわる要素(体重、グルコースと脂質の代謝、心血管系)に働きかけます。TRPV1がカプサイシンによって活性化されると、体内で一定期間変化する様々な代謝関連因子が発現します。マウスで行われた研究によるとカプサイシンは体脂肪蓄積を抑制しエネルギー代謝を高めるようです。

カプサイシンが代謝管理においてどのような役割を果たすかをよく理解するには、さらなる研究が必要です。ですが、カプサイシンを含む食品を徐々に食事に取り入れることはタンパク質、脂肪、食物繊維を摂ることと同様に簡単にできるでしょう。そしてもちろん体をよく動かすことも重要です。

代謝。それはあなた独自のものです。生活習慣を変えたり、自分の体内データを“見える化”することで、日常生活の中で日々おのずと変化していくことでしょう。