「医療砂漠」に育む、より健康的な生活

アボットが支援する医師と遠隔診療技術を組み合わせることで、医療サービスが行き届いていない地域に専門的な診療を拡大します。

*本記事は、2022年4月29日に米国アボット本社のウェブサイトで紹介された記事の翻訳版です。内容については英語原文が優先されます。医学的な情報を提供したり、製品を広告・宣伝する目的のものではありません。

砂漠には多くの素晴らしい一面があります

見事な夕日

芝生の手入れに手がかからない

考古学者がロマンを追う場所

ですが医療へのアクセスが限られた地域、つまり「医療砂漠」といわれる地域では多くの課題を抱えます。

米国の多くの地域では医療サービスの利用が限られています。これらのギャップは地理的また社会経済的条件でも同じ状況です。十分な医療サービスを受けられないコミュニティが最適な方法を模索しています。

例えば私たちは、患者さんと医師を物理的に結びつけることでコミュニティに歩み寄ると同時に、脳神経疾患でDBSやSCSという治療を行っている患者さんがオンラインで参加できる遠隔診療テクノロジーの開発に取り組んでいます。

他にもいろいろな例があるのでご紹介します。

 

惜しまぬ地道な努力

Leigh Ann O’Banion博士とMisty Humphries博士は、カリフォルニア州のセントラル・バレーに勤務する心臓血管外科医です。18,000平方マイルの広大なこの土地は豊かで美しい田園地帯として、また、専門医の不足で知られています。

心臓血管治療の専門医が少ない地域に貢献しようと決意した彼らは「患者さんと地域社会にとっての医療をどう改善するべきか」計画を練り始めました。「それは決して簡単なものではありませんでした。なぜならコミュニティのみなさんは、まず“自分たちが知りたいことは何か”を知ることからスタートする必要があったからです」と語っています。

今後数週間のうちに、アボットが後援するチームはいくつかのイベントを開催する予定です。それは医療情報を共有するだけでなく、参加者に糖尿病や心疾患の初期兆候があるかを診断するための検査も提供するイベントです。

このイベントはセントラル・バレー南部を中心に開催する予定ですが、最終的にはサービスが行き届いていないコミュニティに必要な医療を提供し、健康の公平性を高めることを目標としています。

 

ヘルスアウトカムの改善を目指して

これらのイベントでは、患者さんだけでなく医師への教育も目指しています。周辺地域のプライマリケア医に生涯教育(CME)を提供し、末梢動脈疾患、頸動脈/大動脈瘤、および診断や治療が見過ごされる可能性のあるその他の心血管疾患の検査に対する重要性を説明します。対面でのCMEや患者教育だけでなく、オンライン教材、教育ビデオやパンフレットなどのオプションも提供する予定です。

目指すのは、これまで医療サービスを利用できなかった遠隔地に専門家を派遣することで、多くの人の生活に永続的な改善をもたらすこと。このアウトリーチ活動[i]を通じて、イベントの参加者が適切な専門家と強固な関係を育み、学際的なコミュニティの確立に役立つことでしょう。

「そうすれば単なる教育ではなく、プライマリケア医、循環器医、血管内科医、内科医などと一緒に患者さんを治療できるようになります」とO’Banion博士は話します。「リスク要因は早期発見が重要です。ですから参加者に糖尿病や高血圧に罹患している人がひとにぎりでも見つかり診断できれば、目標達成です」

「最終的には全ての人が医療を受けられるようにしたいのです

 

リモートプログラミング・コネクション ~遠隔診療をかなえる技術~

アウトリーチ支援は健全なコミュニティを醸成するのに効果的ですが、アボットの革新的な技術には医療を人々に直接届けることができるものがあります。遠く離れた患者さんの診断と治療に使用し、これまで医療が行き届かなかった地域でも専門的な診療を受けられるようにするテクノロジーがあります。

慢性疼痛および運動障害症状をもつ患者さんの治療方法の選択肢としてニューロモデュレーション療法がありますが、その皮下に植え込むデバイスは医師が治療プログラムを調整する必要があります。

アボットでは遠隔診療に対応した専用デバイスとソリューションを提供し、距離や移動の制限によりこの診療を受けるのが困難な患者さんと医師をつないでいます。

この遠隔診療に対応したデバイスが導入されるまで、患者さんは診察のために来院する必要があり、数日かけて何百マイルも離れた病院に通院する患者さんもおられました。

パーキンソン病で移動が困難な状態にある患者さんであっても、Wi-Fiまたはモバイルデータ通信*があれば、どこからでも遠隔診療を利用でき、神経調節デバイスをリアルタイムに調整できるようになりました。

診療の利便性に加えて、この遠隔診療に対応した治療システムでは、個々の患者さんの状態に応じて調整する機能も備えています。新しい痛みや異なる種類の痛みが生じる場合でも、リモートで調整を行うことができるのです。刺激の強さの調整や異なる刺激プログラムを導入する場合も同様です。

アボットには糖尿病や心疾患などその他の疾患に対しても遠隔モニタリングのためのアプリケーションがあります。こうした継続的な進歩により、距離や障害によって専門的な診療の選択肢が制限されない時代へ移り変わっていきます。

 

「遠隔地」に健康生活を取り戻す

医療砂漠には、地域、経済、その他要因が何であれ、同じ課題があります。良質な総合医療を受けることができない人々が一定層存在するということです。

セントラル・バレーは緑豊かな田園地帯で知られる地域ですが、健康で長生きできなければ、暮らしを謳歌することが難しいかもしれません。

アボットは質の高いヘルスケアと革新的なリモートテクノロジーを駆使して、これまで診療を受けられなかった人々や地域にこうした医療サービスを提供していきます。医療砂漠の課題解決に寄与すること。そのニーズは高く対象地域も多くありますが、課題解決への最初のステップはまずそれに取り組むことです。「これまで医療を受けられなかった患者さんには、まだ満たされていない大きなニーズがあります。私たちには地位や場所に関係なくできるだけ多くの人に医療を提供する責任があります。私たちは決して彼らを忘れるわけにはいきませんし、治療が必要とされる時はいつでも応じます」また、「私たちはさらなるコミットメントを胸に進みます」

O’Banion博士は「私たちそれぞれが少しずつ取り組めば、多くのことが達成できる」と締めくくりました。

 

*携帯電話またはWi-Fi接続があり、ペイシェントコントローラーを十分に充電できる場所ならどこでも利用できます。

 

i 様々な形で、必要な人に必要なサービスや情報を届けること