アボット、2023年第4四半期および通年の業績と2024年の財務見通しを発表

• 2023年第4四半期における売上高は1.5％増、基本事業の既存事業売上高は11.0％増
• 2023年通年の売上高は新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高が予測どおり減少したことにより8.1％減、基本事業の既存事業売上高は11.6％増
• 2023年通年の米国会計基準（GAAP）に基づく希薄化EPSは3.26ドル、調整後の希薄化EPSは4.44ドル
• 研究開発パイプラインは新製品の着実な提供を継続

※本資料は、アボットが2024年1月24日に発表したプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

https://abbott.mediaroom.com/2024-01-24-Abbott-Reports-Fourth-Quarter-and-Full-Year-2023-Results-Issues-2024-Financial-Outlook

2024年1月24日―アボット（米国イリノイ州アボットパーク）は本日、2023年12月31日を期末とする第4四半期の業績を発表しました。

• 第4四半期における売上高は、決算報告ベースで1.5%増、既存事業ベースで2.1%増、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高¹を除く基本事業における既存事業ベースで11.0%増となりました。
• 第4四半期のGAAPに基づく希薄化EPSは0.91ドル、特定項目を除いた調整後の希薄化EPSは1.19ドルでした。
• アボットは、2024年通年のGAAPに基づく希薄化EPS見通しとして3.20ドル～3.40ドル、通年の調整後の希薄化EPS見通しは4.50ドル～4.70ドルと予想しています。
• アボットは、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高を除いた2024年通年の既存事業売上高成長率は8.0%～10.0%と予想しています²。
• 2023年、アボットは乳児用粉ミルク市場の米国におけるシェアを継続的に回復させました。現時点では、数量ベースで以前の市場トップの座を取り戻しています。
• 12月、アボットは、検査室のパフォーマンスと安全性を最適化し、診断検査の需要の高まりに応える新しい検査室自動化システムGLP systems Track™について、米国食品医薬品局（FDA）の承認を取得したことを発表しました。 
• 1月、アボットは、心房細動（AFib）など不整脈の患者さんの治療を目的とする当社の新しいVolt™パルスフィールドアブレーション（PFA）システムを用いて、ヒト初回臨床試験を実施したことを発表しました。本試験は、アボットのVolt CEマーク臨床試験の一環として実施されました。2024年上半期にVolt PFAシステムの米国での治験（治験用医療機器適応免除：IDE）の承認を取得する予定です。
• 1月、アボットは、Tandem Diabetes Care, Inc.のt:slim X2™³インスリンポンプがアボットの新しいFreeStyleリブレ® 2 Plusセンサーを搭載した米国初の自動インスリン投与システムであることを発表しました。

アボットの会長 兼 最高経営責任者（CEO）、ロバート・B・フォードは、「当社のポートフォリオの強みと多様性が、2023年の成功を牽引しました。非常に前向きな気運のもと2024年を迎え、生産性の高いパイプラインにより、2024年以降の成長に向けて確かな地位を確保しています」と述べています。

第4四半期の事業概要
当社経営陣は、売上高の成長率を為替変動の影響、中国における小児用栄養剤製品事業の影響、およびCardiovascular Systems, Inc.（CSI）買収の影響を除いた既存事業ベースで測定評価することが、投資家の皆様に当社の基調的な業績を最もよく理解いただける方法だと考えています。さらに、新型コロナウイルス感染症は地域的な流行へと移行し、検査への需要が大幅に減少しているため、当社経営陣は、売上高の成長率を新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高を除いた基本事業における既存事業ベースで測定評価することが、投資家の皆様に当社の基調的な業績を最もよく理解いただける方法だと考えています。

注記：為替変動の影響を排除した業績を算出するために、当年のドル建て売上高は、当年の期中平均為替レートを使用して適切に換算し、それを前年の期中平均為替レートを使用して適切に再計算しています。

2023年第4四半期の業績
（単位：百万ドル）

2023年通年の業績
（単位：百万ドル）

過去の調整後売上高から決算報告ベースの売上高への調整については、英語原文をご参照ください。

栄養剤製品
（単位：百万ドル）

2023年第4四半期の業績

第4四半期における栄養剤製品事業の全世界売上高は、決算報告ベースで12.2%増、既存事業ベースで13.9%増となりました。過去の調整後売上高から決算報告ベースの売上高への調整については、英語原文をご参照ください。

小児用栄養剤製品部門の全世界売上高は、決算報告ベースで11.8%増、既存事業ベースで14.5%増となりました。米国外売上高は、カナダおよび中南米数カ国における力強い成長に牽引され、決算報告ベースで12.3%増、既存事業ベースで17.9%増となりました。米国売上高は、昨年の一部製品の自主回収を経て、乳児用粉ミルク事業での市場シェアが回復したことにより、11.4%増となりました。

第4四半期における成人用栄養剤製品の全世界売上高は、幅広くバランスのとれたラインアップにより市場をリードする栄養剤ブランド「エンシュア^®」に牽引され、決算報告ベースで12.5%増、既存事業ベースで13.4%増となりました。

2023年通年の業績

診断薬・機器
（単位：百万ドル）

2023年第4四半期の業績

第4四半期における診断薬・機器事業の売上高は、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高⁴が予測どおり前年同期比で減少したことにより影響を受けました。2023年第4四半期における新型コロナウイルス感染症検査関連の全世界売上高は、前年同期の10億6,900万ドルに対し、2億8,800万ドルでした。

新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高を除く、診断薬・機器事業の全世界売上高は、決算報告ベースで1.7%増、既存事業ベースで2.2%増となりました。

2023年通年の業績

* 2023年1月1日、Acelis Connected Health事業は、ラピッドダイアグノスティクス事業からハートフェイラー事業へ社内で移転されました。その結果、2022年第4四半期の売上高2,800万ドル、および2022年通年の売上高1億1,500万ドルがラピッドダイアグノスティクス事業からハートフェイラー事業へ移転されました。

エスタブリッシュ医薬品
（単位：百万ドル）

2023年第4四半期の業績

第4四半期におけるエスタブリッシュ医薬品事業の売上高は、決算報告ベースで0.5%増、既存事業ベースで8.8%増となりました。

主要新興国には、アボットのブランドジェネリック製品ポートフォリオにとって長期的かつ最も魅力的な成長機会となる複数の新興国が含まれます。これらの国々における第4四半期の売上高は、決算報告ベースでは0.5%増、既存事業ベースで11.4%増となりました。既存事業の成長は、いくつかの地域および治療領域（心血管代謝、消化器系、呼吸器、中枢神経系/ペインマネジメントなど）における成長に牽引されました。

2023年通年の業績

医療機器
（単位：百万ドル）

2023年第4四半期の業績

第4四半期における医療機器事業の全世界売上高は、決算報告ベースで17.5%増、既存事業ベースで15.4%増となりました。売上高の成長は、ダイアベティスケア事業、ニューロモデュレーション事業、ストラクチュラルハート事業、エレクトロフィジオロジー事業、ハートフェイラー事業、およびリズムマネジメント事業の二桁成長に牽引されました。Amplatzer^®、Amulet^®、Navitor^®、TriClip^®、Aveir^®を含め、最近発売された複数の製品と新規適応が好業績に貢献しました。

米国外のエレクトロフィジオロジー事業の売上高は、決算報告ベース、既存事業ベースともに25.0%以上の成長を達成しました。これには欧州での20.0%以上の成長も含まれています。

ダイアベティスケア事業では、FreeStyleリブレの売上高が14億ドルとなり、決算報告ベースで25.5%増、既存事業ベースで23.8%増となりました。

2023年通年の業績

* 2023年1月1日、Acelis Connected Health事業は、ラピッドダイアグノスティクス事業からハートフェイラー事業へ社内で移転されました。その結果、2022年第4四半期の売上高2,800万ドル、および2022年通年の売上高1億1,500万ドルがラピッドダイアグノスティクス事業からハートフェイラー事業へ移転されました。

アボットの1株当たり利益見通し
アボットでは、2024年通年のGAAPに基づく希薄化1株当たり利益は、3.20ドル～3.40ドルと予想しています。また、主として無形資産減価償却費、買収に関連した費用、リストラクチャリングならびにコスト削減のイニシアチブ関連費用、およびその他の費用に関する2024年通年の特定項目は、1株当たり1.30ドルと予想しています。特定項目を除いた、2024年通年の調整後の希薄化1株当たり利益は、4.50ドル～4.70ドルと予想しています。

アボット、400四半期連続配当を発表
2023年12月15日、アボットの取締役会は、1株当たりの四半期配当を0.55ドルと発表しました。アボットでは、2024年1月12日の営業時間終了時点において当社の株主名簿に登録されている株主に対して、2024年2月15日に現金配当を支払います。

アボットは52年連続で増配しており、25年以上連続で毎年増配している企業で構成されるS&P 500配当貴族指数の構成銘柄となっています。

アボットについて
アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約114,000人の社員が活動しています。

アボット（www.abbott.com）、アボットジャパン（www.abbott.co.jp）、リンクトイン（www.linkedin.com/company/abbott-/）、フェイスブック（www.facebook.com/Abbott）、インスタグラム（www.instagram.com/abbottglobal）、Ｘ（twitter.com/AbbottNews）、YouTube（www.youtube.com/c/abbott）、YouTubeジャパン（www.youtube.com/@abbottjapan）も合わせてご参照ください。

¹2023年第4四半期における全世界売上高は102億4,100万ドル、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高は2億8,800万ドルでした。2022年第4四半期における全世界売上高は100億9,100万ドル、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高は10億6,900万ドルでした。
²アボットは、為替変動の影響を合理的な確実性をもって予測することは不可能であり、決算報告ベースの売上成長率に大きな影響を及ぼす可能性があることから、新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高を除く既存事業売上高の成長に関して、将来の見通しに基づいてGAAPの財務指標を提示していません。また、新型コロナウイルス感染症は地域的な流行へと移行し、検査への需要を予測できないため、将来の新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高を合理的な確実性をもって予測することは不可能であると判断しています。
³t:slim X2™はTandem Diabetes Care, Inc.の商標です。
⁴以下に、2023年と2022年の診断薬・機器事業と新型コロナウイルス感染症検査関連の売上高をまとめます。