2020年9月1日 ― アボットジャパン合同会社(本社:東京都港区、代表執行役員社長 天野 総太郎)は本日、新型コロナウイルス感染症のIgM抗体検査用の研究用試薬を販売開始したことを発表しました。IgM抗体の検査は、体内でウイルスに対する抗体を産生したか、つまり最近の感染あるいは活動性感染であるかを理解する上で重要な役割を担います。
今回のIgM抗体検査試薬は、既に研究用試薬として日本で販売開始をしているIgG抗体検査試薬に続く新型コロナウイルス感染症に対するアボットとしての新しい検査試薬です。本製品は、研究用試薬として提供し、日本全国の病院や検査室で導入されているアボットの全自動分析装置 ARCHITECT® アナライザー i1000SR*、ARCHITECT® アナライザー i2000SR**、およびAlinity® i システム***で使用できます。
アボットジャパンの代表執行役員社長である天野 総太郎は、次のように述べています。「抗体検査は、新型コロナウイルス感染症に対する理解を深め、特定地域における有病率を把握し、感染歴を確認する上で重要な役割を今後も果たしていくと考えています。アボットは、IgM抗体、そしてIgG抗体をそれぞれ特異的に測定する検査試薬を開発・提供することで、体内でウイルスに対して免疫系がどのように応答し、回復過程のどの段階にあるかを医療従事者がより正確に理解するための研究の加速に寄与していきます。」
体内の免疫応答を理解する上での抗体検査の役割について
現在の感染有無を検出するPCR検査と違い、抗体検査はIgM抗体やIgG抗体といった抗体を検出し、過去の感染歴を確認する際に活用されます。
最近の研究により、IgM抗体とIgG抗体はほぼ同時に、発症から2-3週間以内に血液中で産生されることが分かってきています。1 アボットは、まず多くの場合感染後長い間持続する抗体であるIgG抗体の血液検査試薬を開発しました。アボットのIgG抗体検査試薬は広く採用されており、新型コロナウイルス感染症から回復したことを確認する、接触者を追跡する、そして疫学調査を実施する2上で重要な役割を、今後も担っていきます。それに対して、IgM抗体は感染後数週間から数か月で検出不能になることから、直近の感染を判断するのに役立てられる可能性があります。3
新型コロナウイルス感染症におけるIgM抗体検査は医療従事者、患者さん、そしてご家族に以下の重要な情報を提供します:
今回のIgM抗体検査試薬は、アボットのARCHITECTおよびAlinityの両プラットフォームで使用可能です。ARCHITECTは日本で最も多く使用されている全自動分析装置の一つです。Alinityはアボットの次世代機器で、省スペースかつ多項目測定を特長とし、信頼性の高い結果を提供します。両プラットフォーム上で、1時間当たり100-200検体の検査が可能です。
アボットについて
アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約107,000人の社員が活動しています。
アボット(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、リンクトイン(www.linkedin.com/company/abbott-/)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews、@AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。
* ARCHITECT® アナライザー i1000SR(医療機器 届出番号12B1X00001000005)
**ARCHITECT® アナライザー i2000SR(医療機器 届出番号12B1X00001000004)
***Alinity® i システム(医療機器 届出番号 12B1X00001000032)
1CDC. Interim Guidelines for COVID-19 Antibody Testing. Updated: August 1, 2020. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/lab/resources/antibody-tests-guidelines.html
2Chew KL et al., Clinical evaluation of serological IgG antibody response on the Abbott Architect for established SARSCoV-2 infection, Clinical Microbiology and Infection, https://doi.org/10.1016/j.cmi.2020.05.036
3Liu, X et al. Aging 2020. (12): 13. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7377873/pdf/aging-12-103417.pdf
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