※本資料は、アボットが2022年8月29日に発表したプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
https://abbott.mediaroom.com/2022-08-29-New-Data-Show-Abbotts-HeartMate-3-TM-Heart-Pump-Extends-Life-Beyond-Five-Years-for-Advanced-Heart-Failure-Patients
2022年8月29日―アボット(米国イリノイ州アボットパーク)は本日、人工心臓HeartMate 3™が、重症心不全患者の生存期間を5年以上延長することを示す最新データを発表し、末期の心臓病と闘う人々に命を救う選択肢を示しました。このデータは、重症心不全を治療する植込型左心補助人工心臓(LVAD、人工心臓とも呼ばれる)を使用している患者の長期的な予後を評価する世界最大の無作為化比較試験であるMOMENTUM 3試験から得られたものです。このデータは、スペイン・バルセロナで開催された2022年欧州心臓病学会(ESC)のレイトブレイキングセッションで発表されました。
MOMENTUM 3試験では1,000人以上の心不全患者を対象とし、臨床試験で初めて人工心臓HeartMate 3の植込み手術を受けた重症心不全患者が5年以上生存したことを示しました。この試験は、特に人工心臓や心臓移植以外の治療選択肢が限られている患者群、心機能を強化するための強心薬の服用が必要な患者群、そして生存期間中央値が1年未満の患者群が、アボットの人工心臓技術によって、大きな恩恵を受ける可能性を示しています。
エモリーヘルスケアの重症心不全・心臓移植部メディカルダイレクターであるDivya Gupta(M.D.)は、次のように述べています。「MOMENTUM 3試験では、重症心不全患者さんにおける余命を延ばすための治療選択肢という点で、HeartMate 3が大きな変化を起こしたことを示しました。この研究は、HeartMate 3の適応となる多くの重症心不全患者さんに対して、生存期間を延長する治療を積極的に検討する必要があることを示しています。」
人工心臓:多くの患者さんの生存期間を延長する治療選択肢
従来、心臓移植の条件を満たさない多くの重症心不全患者さんは、薬物療法か緩和ケアによって症状を管理する選択しかありませんでした。しかし、HeartMate 3のような新しい技術の進歩によって、生存期間を延長するための治療を選択することができるようになりました。人工心臓の利点は、特に強心薬しか使用しておらず余命の中央値が1年未満の重症心不全患者、推定2 15,000人に当てはまります。これらの人々の一部は臓器提供者が現れることを待っていますが、臓器移植の数は限られています。HeartMate 3のような人工心臓によって、生存率を改善し、即座に大きくクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を改善し、維持することができるのです。
また、MOMENTUM 3試験の最新データは、HeartMate 3を植込んだ患者の5年生存率(60%近く)が、同様のリスクプロファイルを持つ心臓移植を受けた患者の5年生存率に近づきつつあることも示しています。
アボットのハートフェイラー事業部バイスプレジデントKeith Boettigerは、次のように述べています。「毎年、何千人もの重症心不全患者さんが人工心臓を使用することなく亡くなっています。主な理由として、治療を担当している医師がこの選択肢を知らないこと、また、そのベネフィットを十分に理解していないことが挙げられます。肥満、糖尿病、特定のがんや血液型を有する患者さんや、米国内でも十分なサービスが行き届いていない地域では、多くの患者さんが、人工心臓に関する評価を受ける機会を与えられていません。人工心臓に対する認知とアクセスが向上すれば、このような患者さんに、より長く充実した人生を送るチャンスを提供することができます。」
米国では620万人以上が心不全に罹患しており3、2030年までにこの数は倍増すると予測されています4。アボットのHeartMate 3は、心臓の力が弱く、自力では血液を循環させることができない患者さんの体内に植え込み、血液を送り出す装置です。HeartMate 3は、Full MagLev™技術を搭載した唯一の製造販売の承認を受けた人工心臓です。この技術は、装置のロータ―を完全磁気浮上によって「浮かせ」、ポンプを通過する際の血液成分の損傷を軽減することで、患者さんの生存率とクオリティ・オブ・ライフを向上させる独自設計になっています。これらの特徴に加え、人工的な拍動を生み出すことができるため、他の人工心臓と比較してポンプ関連の合併症の発生率は最も低くなっています。
モンテフィオーレ病院の心血管手術・心臓移植科外科部長Daniel J. Goldstein(M.D.)は、次のように述べています。「HeartMate 3によって患者さんの余命を数年間延ばせるという今回の結果は、全ての心臓病専門医に、自分の重症心不全患者さんがこの治療に適するかどうか評価する必要があることを示す説得力のあるエビデンスです。こうした患者群では、身体的な症状だけで正確な診断を下すことが困難であるため、早期の専門医への紹介と治療介入が重要になります。MOMENTUM試験の最新データは、人工心臓のベネフィットを具体的に説明するのに役立ちます。そして、患者さんの心不全が進行していく中で、医師が患者さんと人生を豊かにし、余命を延ばすための選択肢を一緒に検討する際に役立ちます。」
MOMENTUM 3試験の5年間データ
MOMENTUM 3試験では、重症(New York Heart Association Class IIIBまたはIV)心不全患者の治療において、アボットのHeartMate 3とHeartMate IIの比較が行われました。同試験の5年後の患者コホート解析から、以下の結果が明らかになりました。
適応と重要な安全性情報:
アボットのHeartMate 3に関する米国の重要な安全性情報については、HeartMate 3 LVAD Indications, Safety and Warnings | Abbott(cardiovascular.abbott)を参照してください。
アボットについて
アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約113,000人の社員が活動しています。
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