2020年12月23日 ― アボットジャパン合同会社(本社:東京都港区、代表執行役員社長 武知 秀幸)は本日、臨床検査室で使用される、新型コロナウイルス感染症のIgG(免疫グロブリンG)抗体定量検査の研究用試薬を販売開始したことを発表しました。定量的な結果(抗体量)が得られるIgG抗体検査は、新型コロナウイルス感染症からの回復やワクチンに対する免疫反応を評価する研究において役立てられることが期待されます。
世界中の国々で新型コロナウイルス感染症に対するワクチン(以下、ワクチン)の承認および供給の準備が進む中、ワクチンが利用可能になることで、医療従事者や研究者は、個人、そして地域社会がワクチンに対してどのように反応しているかを評価することが求められます。
新型コロナウイルス感染症に対するアボットの血清学的検査の展開について
新型コロナウイルス感染拡大の初期に、アボットは最初の新型コロナウイルス感染症のIgG抗体検査用試薬を研究用途として発売しました。このIgG抗体検査用試薬はウイルスのヌクレオカプシド(N)タンパク質を認識するIgGの定性的な検査であり、回復期を含め、ウイルスに対する免疫反応をより深く理解する上で、今後も重要です。今回発売する新たな抗体定量検査用試薬は、これに加え、血液中に産生された抗体の有無および量(または力価)を判断する情報を提供します。
アボットは、ウイルスが細胞に侵入する際に重要な役割を果たすウイルスのSタンパク質に対するIgG抗体を測定する定量検査用試薬を設計しました。免疫反応により産生された抗体は、ウイルスのSタンパク質部分に結合することで、ウイルスの細胞への侵入を阻害し、最終的に感染を防ぎます。
いくつかのワクチンはSタンパク質を標的に開発されており、同様の免疫反応を引き起こすと考えられています。アボットの定量検査用試薬などで、Sタンパク質に対するIgG抗体量の上昇と、中和抗体すなわち感染を阻害する特異的な抗体量の上昇との相関関係も研究で示されています。1,2 体内の抗体量とウイルス感染の予防効果との相関関係については研究段階にあります。
ウイルスに対する理解を深める上で、抗体検査は以下の点で研究に役立つ可能性があります。
IgG抗体定量検査用試薬は、新型コロナウイルス感染症に立ち向かっている世界の医療現場をサポートするアボットの広範なポートフォリオの最新の検査用試薬です。グローバルにおけるアボットの新型コロナウイルス検査のポートフォリオには、遺伝子検査、抗原検査、血清学的検査などが含まれています。これらの検査には、検査室で行われる検査やポイントオブケアで行われる迅速検査などがあり、ウイルスのライフサイクル全体にわたって医療従事者がウイルスを検出する上で役立てられています。
SARS-CoV-2 IgG II Quant抗体検査用試薬について
アボットのIgG抗体定量検査用試薬は、新型コロナウイルスに感染した疑いのある人、もしくは過去に感染していた人の、血清または血漿中のウイルス表面のSタンパク質に対するIgG抗体量を測定するよう設計されています。
この検査用試薬は、アボットのARCHITECT®およびAlinity® i システムで使用できます。
アボットについて
アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約107,000人の社員が活動しています。
アボット(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、リンクトイン(www.linkedin.com/company/abbott-/)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews)も合わせてご参照ください。
ARCHITECT® アナライザー i1000SR(医療機器 届出番号12B1X00001000005)
ARCHITECT® アナライザー i2000SR(医療機器 届出番号12B1X00001000004)
Alinity® i システム(医療機器 届出番号 12B1X00001000032)
1Poh CM et al. Two linear epitopes on the SARS-CoV-2 spike protein that elicit neutralizing antibodies in COVID-19 patients. Nat Commun 2020;11(1):2806. doi:10.1038/s41467-020-16638-2
2Keech C, et al. Phase 1–2 trial of a SARS-CoV-2 recombinant spike protein nanoparticle vaccine. N Engl J Med 2020;383:2320-2332. doi:10.1056/NEJMoa2026920
3Shen C, et al. Treatment of 5 critically ill patients with COVID-19 with convalescent plasma. JAMA 2020;323(16):1582-1589. doi:10.1001/jama.2020.4783
お客様がアクセスしようとしているウェブサイトは、そのサイトに記載されている特定の国または国々の居住者を対象としていることにご注意ください。 そのためサイトには、他の国々や地域では認められていない医療品、医療機器、その他の製品に関する情報や、用途についての情報が含まれている場合があります。
またアクセスしようとしているウェブサイトが、お客さまのスクリーンサイズ向けに最適化されていない場合もあります。
FOLLOW ABBOTT