アボット、2020年第1四半期の業績を発表

  • 第1四半期の売上高は2.5%増、有機的売上高は4.3%増でした。
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する画期的な検査試薬3種類をこのほど発売。

 


2020年4月16日-アボット(米国イリノイ州アボットパーク)は本日、2020年3月31日を期末とする第1四半期の業績を発表しました。

  • 第1四半期における全世界売上高は77億ドルを記録し、報告ベースで2.5%増、有機*ベースで4.3%増となりました。
  • 第1四半期における米国会計基準(GAAP)に基づく継続事業からの希薄化1株当たり利益(EPS)は0.30ドルでした。特定項目を除いた調整後の希薄化EPSは0.65ドルでした。
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行に伴い、その期間や影響が不確かであることから、以前に公表した2020年の通年業績予想を一時停止します。
  • アボットは、健全な貸借対照表に裏付けられる通り、非常に良好な財務状態にあります。例えば37億ドルの現金もしくは現金同等物または短期投資を有し、必要に応じてリボルビング・クレジット・ファシリティーによる最大50億ドルの追加調達が可能です。
  • アボットはこのほど、3種類の新型コロナウイルス感染症用検査試薬を発売しました。迅速ポイントオブケア検査機器「ID NOWTM」および検査室用検査装置「m2000TM RealTime」を使用する遺伝子検査と、検査室用免疫分析器を使用してIgG抗体を測定する血清検査試薬です。
  • アボットはこのほど、いくつかの心血管治療用製品についてCEマークを取得したことを発表しました。世界初の三尖弁閉鎖不全症(逆流症)治療用の低侵襲性クリップ式修復機器「TriClipTM」、僧帽弁閉鎖不全症置換術に用いる初の技術を用いた「TendyneTM」、心拍異常をコントロールする植え込み型除細動器(ICD)および両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の「GallantTM」などです。
  • 第1四半期においては、「FreeStyleリブレ」の日本での保険適用が拡大され、新しい適用に1日に複数回インスリン注射を行う2型糖尿病患者さんも含まれることを発表しました。

アボットの社長兼最高経営責任者(CEO)、ロバート・B・フォードは、「まずはじめに、当社の極めて重要な製品をそれを必要とする世界中の人々に供給し続けるために、多大なる努力を重ねてくださっている従業員をはじめ、お客様、取引先の皆さまに感謝を申し上げたいと思います。前例のない状況に直面していますが、私たちの従業員はこれまでにない新たな方法で立ち向かっています」と述べています。

*有機的成長についての注記参照。

アボットの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応

アボットではさまざまな分野のチームを動員し、新型コロナウイルスの感染拡大防止と医療システム、患者さん、従業員、地域社会の支援に取り組んでいます。中でも、新型コロナウイルスに対する3種類の新たな検査試薬をこのほど発売しました。アボットの「ID NOW COVID-19」遺伝子検査は、現在発売されているポイントオブケア遺伝子検査の中で最も速いもので、13分で判定でき、陽性の場合は約5分で結果を得られます。アボットの「RealTime SARS-CoV-2」遺伝子検査は、病院や基準検査室に設置されている当社の「m2000TM RealTimeシステム」を使用して判定を行います。もう一つは、当社の検査室用免疫分析機器を使用してIgG抗体を測定する血清検査試薬です。遺伝子検査はウイルス感染の有無を、抗体検査は過去の感染歴を確認する検査方法です。

当社は、新型コロナウイルス感染症によって影響を受けている世界中の最前線で闘う医療従事者、家族、そして地域社会を支えるために、個人防護具(PPE)、患者さんケア用品、さらにはトレーニングの提供など、必要とされるニーズに応えています。従業員の安全確保のために大部分の業務はリモートワークで行うとともに、厳しい渡航・移動制限を実施しています。また、世界中の病院や医療従事者、検査機関、患者さんに必要不可欠な医療製品の供給を継続すべく業務を続ける従業員のため、各施設での感染リスク低減と安全強化に積極的な措置を講じています。

第1四半期の事業概要

注記:当社経営陣は、売上の成長率を有機ベースで測定評価することが、投資家の皆様に当社の基礎的な業績を最もよく理解いただける方法だと考えています。有機的売上成長に為替変動の影響は含まれていません。

2020年第1四半期の事業セグメント別売上高と説明は以下のとおりです。

全社

(単位:百万ドル)

*2020年第1四半期の継続事業からの総売上には、その他の売上1,500万ドルが含まれます。

n/a = 該当なし

注記:為替変動の影響を排除した業績を算出するために、当年のドル建て売上高は、当年の期中平均為替レートを使用して適切に換算し、それを前年の期中平均為替レートを使用して適切に再計算しています。

2020年第1四半期における全世界売上高は報告ベースで2.5%増の77 億ドルとなりました。有機ベースの全世界売上高は4.3%増となりました。

栄養剤製品

(単位:百万ドル)

第1四半期における栄養剤製品の全世界売上高は、報告ベースで6.3%増、有機ベースの売上高は7.3%増となりました。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に伴う外出禁止令の発令前の3月下旬に、特に米国での小児用栄養剤製品などにおいて、需要が拡大したことが売上成長にプラスの影響を与えました。

診断薬・機器

(単位:百万ドル)

診断薬・機器の第1四半期における全世界売上高は、為替変動のマイナスの影響1.5%を含めた報告ベースで0.8%減、有機ベースで0.7%増となりました。コアラボ診断(Core Laboratory Diagnostics)の売上成長は、新型コロナウイルス感染症に伴う通常の検査量の減少によりマイナスの影響を受けました。アボットは、新型コロナウイルスに対する3種類の新たな検査試薬をこのほど発売しました。アボットの「ID NOW COVID-19」遺伝子検査は、現在発売されているポイントオブケア遺伝子検査の中で最も速いもので、13分で判定でき、陽性の場合は約5分で結果を得られます。アボットの「RealTime SARS-CoV-2」遺伝子検査は、病院や基準検査室に設置されている当社の「m2000TM RealTimeシステム」を使用して判定を行います。もう一つは、当社の検査室用免疫分析機器を使用してIgG抗体を測定する血清検査試薬です。遺伝子検査はウイルス感染の有無を、抗体検査は過去の感染有無を確認する検査方法です。

エスタブリッシュ医薬品

(単位:百万ドル

エスタブリッシュ医薬品の第1四半期における売上高は、報告ベースで5.2%増、有機ベースで9.3%増となりました。ロシア、ブラジルのほかラテンアメリカ、東南アジアのいくつかの国々を含む複数地域における力強い成長が当四半期の有機的売上成長を牽引しました。

医療機器

(単位:百万ドル)

第1四半期の医療機器の全世界売上高は、報告ベースで1.4%増、 有機ベースで2.9%増となりました。 心血管事業およびニューロモデュレーション事業については、新型コロナウイルス感染症に伴う手術件数の減少が売上成長にマイナス影響を与えました。いずれの製品も重要性が高いことから、医療資源が通常レベルに回復した後は堅調な需要があるものと見込んでいます。

ダイアベティスケア事業は、第1四半期の全世界売上高が6億ドルを超えた「FreeStyleリブレ」をに支えられ、報告ベースで前年度比59.3%増、 有機ベースで62.5%増となりました。第1四半期には、「FreeStyleリブレ」の日本での保険適用が拡大され、そこには症状をコントロールするために1日に複数回インスリン注射を行う2型糖尿病患者さんも含まれました。

アボットの2020年業績予想

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行に伴い、その期間や影響が不確かであることから、以前に公表した2020年の通年業績予想を一時停止します。

アボット、385四半期連続配当を発表

2020年2月21日、アボットの取締役会は、当社の四半期配当を1株当たり0.36ドルとすることを発表しました。アボットは、2020年4月15日の営業時間終了時点において当社の株主名簿に登録されている株主に対して、2020年5月15日に現金配当を支払います。

アボットは48年連続で増配しており、25年以上連続で毎年増配している企業で構成されるS&P500配当貴族指数の構成銘柄となっています。

アボットについて

アボットは、人々が人生のあらゆるステージにおいて最高の人生を送ることができるようサポートするグローバルヘルスケアリーダーです。業界をリードする診断薬・機器、医療機器、栄養剤、およびブランド ジェネリック医薬品分野の事業および製品を含め、人々の生活に大きな影響をもたらす画期的なアボットの技術は、ヘルスケアの広範な領域にわたっています。現在、世界160カ国以上で、約107,000人の社員が活動しています。

アボット(www.abbott.com)、リンクトイン(www.linkedin.com/company/abbott-/)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews、@AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。

アボットは、本日午前8時30分(中部時間)にインベスターリレーションズのウェブサイト(www.abottinvestor.com) で第4四半期業績の電話会議をインターネット配信する予定です。この配信のアーカイブは同日遅くに掲載予定です。

1995 年米国私募証券訴訟改革法 –
将来の見通しの記述に関する注意

このプレスリリースには、1995年米国私募証券訴訟改革法における将来の見通しの記述(forward-looking statements)が含まれている可能性があります。これらの将来の見通しの記述は、リスクおよび不確定要素により、実際の結果がその記述の内容と著しく異なることとなる可能性がある点に注意が必要です。アボットの事業に影響を及ぼす可能性のある経済、競争、政府、技術面およびその他要因については、米国証券取引委員会に提出された、2018年12月31日に終了した年度のフォーム10-K年次報告書の項目1A「リスク要因」で説明しており、参照により含めています。アボットは、法で定められている場合を除き、後発事象や進展の結果により、将来の見通しの記述に対する修正を公表する義務は負いません。

1 GAAPに基づく2019年第4四半期の継続事業からの希薄化EPSは、59.5%の伸びを反映しています。

2 アボットは、報告売上高の成長に大きな影響を及ぼす可能性のある為替レートの将来の変動が予測不可能であり、為替変動の影響を予測できないことから、有機的売上高成長の将来の未通しに関するGAAP財務指標を提供していません。