自分の健康は自ら把握する: 私たちの取り組み

糖尿病治療から診断まで、健康増進に対する当社の取り組みと今後の展望についてご紹介します。

*本記事は、2022年12月5日に米国アボット本社のウェブサイトで紹介された記事の翻訳版です。内容については英語原文が優先されます。当社のグローバルでの取り組みを紹介するものであり、医学的な情報を提供したり、製品を広告・宣伝する目的のものではありません。

デジタル技術の見本市「CES 2022」で新年を迎えた後、当社のCEO兼取締役会長であるロバート・フォードは、「ヘルスケアにおいて一般消費者が混乱なくより確実に、そして迷いなく主体性のもと、より自分自身に自信を持つことができる」未来に向けて「自分の健康は自ら把握する(Putting You at the Center of your Health)」の抱負を語りました。

私たちアボットはサイエンスに基づく栄養剤、命を支える医療機器、診断技術の強化、そして遠隔診療が可能なニューロモデュレーション治療といったソリューションを通じ、人本来の力により健康を保つことを推進しています。

ダイアベティスケア(糖尿病治療)

世界で糖尿病とともに生きる方々のうち450万人が、当社の持続グルコース測定器を使ってご自身の糖尿病の自己管理をしています。そのため私たちには技術の進歩と改善をし続ける責任があります。栄養、運動、ライフスタイルが糖尿病と生きる方々の健康にどのように影響するかを先見し、糖尿病とともに生きる方々が充実した生活を送れるようたゆまぬ努力を続けています。

その技術は、スマートフォンアプリの開発や信頼性の高いMARD(平均絶対的相対的差異)精度を備えた14日間のシステムにとどまりません。次世代型の持続グルコース測定器は、従来品よりもさらに小さくかつ正確で、スキャンすることなく互換性のあるスマートフォンにリアルタイムで分単位の測定値が記録されます。

この製品は今年、エジソン賞の最優秀新製品賞を受賞し、また世界有数のクリエイティブ・カンファレンスイベント「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2023」のトップ5に選ばれました。

また、2022年のゴールデン・ジュビリーアワードで、ガリアン財団は当社の持続グルコース測定器を過去50年間の最優秀医療技術賞に選出しました。

これらの受賞を励みに、世界中に約2億600万人いるといわれる糖尿病とともに生きる方々の生活を改善するため、私たちは今後も絶え間ない努力を続けていきます。

ニューロモデュレーション

COVID-19の影響下、特に神経疾患や慢性疼痛の管理において医療のデジタル化の重要性が高まりました。

これらのニューロモデュレーション治療ではプログラミング調整のための定期通院が必要です。患者さんおよび介護者の通院にかかる負担を軽減するために、移動せずに自宅からの遠隔診療を可能にするプラットフォームの構築に取り組んでいます。

未曾有のパンデミックの中、私たちが提供するバーチャルクリニック(遠隔診療)のプラットフォームでは、遠隔で電気刺激を行う技術、そして患者さんと臨床医のアプリ内ビデオチャット、リアルタイムで刺激調整を行う技術を実現しました。

同様に当社の脊髄刺激デバイスは、進行する痛みを抱えて生きる方々の日常生活も改善します。

これらのソリューションは、慢性疼痛、パーキンソン病、本態性振戦、その他の神経疾患を抱えて生きる方々の通院・移動・待合に関わる身体的負担の軽減や時間の節約を可能とし、リモートで迅速かつ利便性の高い受診体制を提供します。

そのような利点が評価され、この遠隔診療アプリはエジソン賞の最優秀新製品賞を受賞しました。また、脊髄刺激デバイスは、2023 CES イノベーション・アワードを受賞しました。

患者さん中心の医療への取り組みがインパクトをもたらしたといえます。

心臓血管

致命的となりうる心臓病である僧帽弁閉鎖不全症(MR)を経験した患者さんは、世界中に15万人以上いるといわれます。当社のカテーテル治療用デバイスは、正常な血流と弁尖の機能を回復させることでより良く、より健康的な生活を送ることを可能にしMRの患者さんに人生を取り戻す力を与えています。

人生を変えるようなインパクトのあるこのデバイスは、2022年プリ・ガリアン国際賞 最優秀医療技術賞を受賞しました。

私たちは心臓血管疾患の患者さんの健康を改善するという使命のもと、より多くの場所でより多くの患者さんを助けるためにカテーテル治療用デバイスを進化させ続けています。

また、心血管系の健康は世界中で共通の課題であり、米国だけでも成人の半数近くが心臓血管疾患を罹患していることがわかっています。そのため、私たちは様々な治療技術の提供に取り組んでいます。

バッテリー寿命が長く抜去も可能な当社のリードレスペースメーカは心拍リズムが遅い患者さんの治療に使えるもので、低侵襲手術が可能です。忙しいライフスタイルをおくる人にとってリードレスペースメーカは生活を大きく変えるソリューションとなりました。

その新たな概念と信頼性に基づく技術は、2023 CES イノベーション・アワードの受賞にもつながりました。

バイオウェアラブル

グルコース、ケトン体、乳酸などの体内の主要なバイオマーカーを追跡するように設計された当社の新しいバイオウェアラブル製品は、自身の体の状態を見える化し、トレーニングを最適化したり栄養や食事の選択がフィットネスパフォーマンスやエネルギー、空腹レベルにどのように影響するかのインサイトを得るためのツールとして開発されています。

今年、この当社のグルコースバイオセンサーを使ったEliud Kipchoge(エリウド・キプチョゲ)氏がベルリンマラソンで自身の世界記録を塗り替え、ロンドンとベルリンでもさらなる勝利を収めました。

アボット・ワールドマラソンの6つのメジャー大会で優勝を争う彼のトレーニングを支え続けるのが、グルコース値のデータとデータから得られたインサイトなのです。バイオセンサーを使用してグルコース値を可視化することで、Kipchoge氏のようなアスリートは、栄養とトレーニングパフォーマンスの関係をよりよく理解し、個人の健康目標を推し進めることができるのです。

このスポーツ分野で新境地となる画期的な技術により、アボットはファスト・カンパニー誌から「2022年スポーツ分野に大きな革新をもたらした企業」として認められました。

ダイアグノスティクス

私たちは健康について確かな答えを提供することがいかに重要であるかを理解しています。そのためより速く、より信頼性高く、より多くの方が入手できる診断手法を提供することが既存の壁を打ち破る策であるといえるでしょう。

コロナ禍にあった過去2年を追い打つように、2022年はMPXV (サル痘)という新たな課題に直面しました。

アボットのパンデミック ディフェンス・コアリションでは、アライアンス・パートナーが研究用に初期のMPXV PCR検査を開発するにあたり、ウイルスに関する情報を世界中で共有するよう努めました。その後、当社の検査ポートフォリオの中で最も先進的で効率的な分子システムである全自動遺伝子解析システムで使用できる2代目の MPXV PCR 検査を開発しました。

潜在的な伝染病と戦うために切望されていたこの検査ツールは迅速かつ妥協なく提供したことにより、2023 CES イノベーション・アワードを受賞しました。

また、2022年よりも前にさかのぼる壊滅的な状況に対処するために、アボットは血漿検査の市場展開に取り組みました。これは臨床医が脳震盪を含む外傷性脳損傷をわずか15分で評価し、時間と費用を節約しながら診療の効率と知識を向上させることができる携帯型血液アナライザーです。現在米国タンパ総合病院の救急科に提供されています。

私たちの歩みはまだ続きます。脳震盪の評価方法の変革により、本アナライザーは最優秀新製品エジソン賞を受賞しました。医療アクセスの向上、最先端のイノベーション、手頃な価格、利便性。世界中の何十億もの人々の生活を向上させることに対して、私たちは飽くなき努力を続けます。私たちはこの目標をこれからも追求していきます。